北ア常念山脈(長野) 蝶ヶ岳(2677m) 2023年10月7日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 3:04 三股駐車場−−3:16 林道終点−−3:26 吊橋−−3:37 力水−−3:43 ゴジラの木−−4:32 まめうち平−−5:07 蝶沢−−6:08 大滝山分岐−−6:21 蝶ヶ岳 7:03−−7:45 蝶沢−−8:11 まめうち平−−8:38 ゴジラの木−−8:41 力水−−8:45 吊橋−−8:52 林道終点−−9:00 三股駐車場

場所長野県安曇野市
年月日2023年10月7日 日帰り
天候曇 ほぼ無風
山行種類一般登山
交通手段マイカー
駐車場三股の駐車場(第一駐車場)を利用。夏山シーズンの週末にはすぐに満車になってしまい、10分ほど歩く第二駐車場を利用する
登山道の有無あり
籔の有無無し
危険個所の有無無し
山頂の展望晴れれば大展望
GPSトラックログ
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コメント今季初の冬型気圧配置が緩んだ直後に登った。予報では風速15/s前後の強風のはずが実際にはほぼ無風でラッキーだったが、気温は予報通りで確実に0℃以下、おそらく-2,3℃だったと思う。初冠雪した槍〜穂高を見られて大満足! それでいて蝶ヶ岳には積雪は無く登山道で雪を踏むこともなかったが、木の階段が凍って滑りやすかった


蝶ヶ岳から見た初冠雪した穂高〜槍ヶ岳の稜線。雲の切れ間から見えた野口五郎岳は真っ白だった


三股第一駐車場 林道終点
ゴジラの木 まめうち平
蝶沢 標高2300m付近。木の階段に僅かに雪が残る
標高2300m付近の斜面 午前5時48分に雲の切れ間から太陽が一瞬出た
常念岳に雲はかかっていない 大滝山分岐。標識が新しくなった
テント場。土曜朝でもこれだけテントがあった。昨日は強風だっただろう
山頂へ向かう。予報と違ってほぼ無風 蝶ヶ岳山頂
蝶ヶ岳から見た360度パノラマ展望写真(クリックで拡大)
蝶ヶ岳から見た八ヶ岳
蝶ヶ岳から見た御坂山塊
蝶ヶ岳から見た穂高〜槍ヶ岳
蝶ヶ岳から見た槍ヶ岳 蝶ヶ岳から見た涸沢カール
蝶ヶ岳から見た乗鞍岳 蝶ヶ岳から見た木曾御嶽
蝶ヶ岳から見た野口五郎岳 蝶ヶ岳から見た南アルプス深南部
蝶ヶ岳から見た東側 蝶ヶ岳から見た常念岳に続く稜線
今年初の霜柱 標高2620m付近。ダケカンバは紅葉せず
標高2520m付近 標高2420m付近。凍った階段は下りが厄介
まめうち平 力水
林道終点 林道の崖は落石防止工事中
駐車場到着。路側まで満車だった


 今週半ばは二つ玉低気圧が通過して今年初めての冬型の気圧配置になり、北海道、東北では台風並みの強風と大雨だ。一方、それ以外の地域では週末にかけて冬型が緩みだすタイミングで、天気予報では北アルプスも天気が回復傾向だ。ただし、北ほど回復が遅れて南に行くほど安全度が高いので、今回は北寄りの強風を考慮して蝶ヶ岳を選択した。複数の予報では標高3000mは北西の風が15m/s前後と台風並みだった。蝶ヶ岳は山頂直下で稜線に出るまでは稜線が風をブロックしてくれる。

 金曜日は長野市内でも強風で後立山の稜線は雲に覆われて見えなかったが、おそらく雪が付いているだろう。帰宅後に出発準備しながらTVを見ていたら涸沢で積雪5cm、槍ヶ岳山荘で20cmと伝えていた。蝶ヶ岳は涸沢より標高は高いので雪が積もりやすいが、穂高の稜線からは離れているのでこちらは積雪が少ない方向に働く。雪が全く無いとは言わないだろうが槍ほど多いとは思えず、涸沢と同程度と予想した。登山道は北斜面がメインなので前日の積雪は残ったままであろう。今回は積雪を想定した装備として軽アイゼン、雨具、この春に購入したまだ防水性能が高い登山靴、ロングスパッツ、それにダウンジャケット、ついでに傘も持って行くことにした。いくつかの予報を見ても山頂では雨は降らない確率が高かったが、風が強く稜線に雪雲がかかる可能性があり、下界では雨も考えられるからだ。どうせ降るなら雪の方が濡れなくていいのだが。

 金曜夜の三股第一駐車場は既に8割近く埋まっていてびっくり。まだ夜8時であり駐車中の車の主は山に入っていると考えるのが自然だ。明日から体育の日の3連休だが前日から休みを取って入山しているようだ。しかし今日はまだ冬型の気圧配置なので山の上は風が強いし雪だっただろう。

 ゲートに近い位置に場所を確保。満天の星空で予報よりも天気は回復しているようだ。安心して酒を飲んで寝て夜中に目が覚めたら、道路向かい側には路側駐車の列がずらっとできていた。さすが3連休である。予報では早朝ほど強風なので出発はいつもより遅らせて山頂に午前7時くらいに到着するよう目覚ましは午前3時に設定したが、平日よりも睡眠時間が長い影響もあって30分以上前に目が覚めてそのまま飯を食って午前3時過ぎに出発した。もっと前に出発した登山者を見たが、おそらく常念岳〜蝶ヶ岳の周回だろう。

 さすがに気温は先週より大幅に低下して半袖短パンでは寒いので、今シーズン初めて長ズボンで出発。上はフリースの長袖にウィンドブレーカだ。山頂の気温が氷点下の予報であり、今回は防寒手袋の他に使い捨てカイロも持参することにした(大正解だった)。もう暑さ対策は不要だろうと濡れタオルは持たなかったが、扇は大した重さはないのでウェストポーチに入れたままとしたが、こちらも出番は無かった。

 林道は昔から崩壊箇所があったがいつのまにか落石防止工事が始まっていた。林道終点には車が2台。帰りには3台に増えていて、三股に向けて林道を歩いていると蝶ヶ岳ヒュッテのステッカーを貼った真赤な車が1台が上がっていった。

 林道終点から登山道に入って三股分岐では前回と違って直進して蝶ヶ岳方面へ。前後にライトは見えないと思ったら後ろから光が近付いてきて、私が防寒装備を脱いでいる間に男性に追い越された。この男性に追いつくことはなかったので、少なくとも私と同じペース以上で歩いたようだ。普通なら途中で休憩しているところを追い抜くのだが、男性は私と同じく休憩無しで山頂まで歩いたようだ。真っ暗な時間帯から歩く人種はやはり一般登山者とは違うようだ。

 先週の鹿島槍でもほとんど水は消費しなかったので最終水場の力水では補給しなかった。おそらく今回もほぼ消費はゼロだろう。山頂は氷点下だからなぁ。体が温まってきたからと言って汗をかくほどではなく、私にとっては体を動かすのに適温だった。

 急な階段を登ってゴジラの木を通過。大きく回りこんで尾根に乗ってから本格的な登りが始まるが、冬装備で荷物がいつもより重い影響か少し足が重い。まあ、いつもと同じで急ぐ山旅ではないし、今日は天気は回復傾向なので遅く到着するほど好天に恵まれる可能性が高くなる。逆に遅くなるほど雨の確率が高くなる状況だとのんびりしていられないが。

 まめうち平で一旦登りが終わって僅かに下って水平移動後に再び登りにかかる。この樹林帯は夏はオサバグサやカニコウモリの花が多く見られるが、今はカニコウモリの花は綿毛に変わっていた。オサバグサはシダのような葉っぱだけ見えていた。

 蝶沢で樹林が開けて常念岳が見えるが、まだ日の出前でシルエットだが山頂がはっきりと見えていた。雲はあるが上空の高い位置で稜線にはかかっていないようだ。ただし槍や穂高の稜線も同様とは限らないが。

 再び樹林帯に入ってグングン高度を上げる。標高2300m付近で今年初めての新雪が僅かながら登場するが、登山道上には残っていない。しかしその雪が溶けた後に氷の膜になっていて、特に木の階段が凍っていたのが厄介だった。登りはまだいいが下りは十分に注意が必要だ。アイゼンを使えば滑らないが、あまりに薄い氷なので階段を傷つけてしまうので使わない方がいいだろう。結局は下りでもアイゼンは使わなかった。

 樹林帯なのでライト不要な明るさになったのは日の出30分前ではなく15分ほど前の午前5時半くらい。5時48分に東の空の雲の切れ間から短時間だけ朝日が差して周囲の樹林が赤く染まった。周囲はシラビソに混じってダケカンバ等の落葉樹があるが既に大半の葉は落葉して、残った葉は紅葉しているものは少なく茶色く枯れているか緑のままだった。つまりここでも紅葉はイマイチだった。やはり今年の暑さの影響だろうか。

 予報では北寄りの風のはずで北斜面では風が当たるかと思ったら無風状態。もしかしたら予報に反して稜線の風は弱いのかもしれない。常念岳の山頂が良く見える場所でも山頂の風が強いかどうかは見えない。しかし南斜面と言うこともあってか意外にも常念岳に白さは皆無だった。三股から登る場合、前常念から山頂間のハイマツの上に雪が乗っているとズボンが濡れてしまうので雨具を着用する必要があって面倒なことも常念岳をパスした理由だったが、その心配は杞憂だったようだ。

 いくつかのベンチを通過して大滝山分岐に到着。ここの標識はいつのまにか新しくなっていて、最近北ア各所で見かける様式に変わっていた。おそらく北ア全域で徐々に切り替えているのだろう。明日は爺ヶ岳の予定だがあちらでもいつか新しい標識になるかな。

 ここまでほぼ風は無かったが、念のため山頂に出る前に防寒装備を着用。前回登ったときは爆風状態でハイマツ帯に入ると同時に登山道から押し出されるほどの風だったが、ここまでの感じからしてそれはなさそうだ。代わりに気温はぐっと下がっておそらく0℃を下回っているだろう。防寒テムレスでは役者不足だった。一方の登山靴は冬場に使う分厚い靴下のおかげでさほど冷たさは感じない。

 短い谷間を抜けてハイマツ帯に出るがほぼ無風。予報がいい方に外れたようだ。右手には常念岳〜大天井岳の稜線が見えているが、大天井岳付近だけが僅かに白かった。蝶ヶ岳ヒュッテのテント場は10張前後あったが、昨夜は寒かっただろうし風も強かっただろう。ただし天気予報からそれは分かっていたはずで、それを覚悟でテントを張ったはずなので防寒装備も充分に持ってきているだろう。

 テント場を通過して稜線に出ても風はなし。幸いにして穂高〜槍の稜線には雲はかかっておらず、僅かに積雪して白くなった姿が圧巻だった。おそらく積雪は10cm以下で岩肌が完全には隠れていないので真っ白ではないが、無雪と比べると迫力は段違い。槍の右奥に見えている野口五郎岳周辺の稜線だけは完全に真っ白で、その左右はまだ雪雲に覆われて山は見えなかった。ここからだと後立山は見えないが、おそらくまだ雪雲の中だろう。北信の山も雲に隠れて見えなかった。今回の常念山脈南端の選択は正解だったようだ。

 無人の蝶ヶ岳山頂に到着。雲は多くて青空はほとんど見えないが雲の高さが高くて遠望が利く。志賀高原の山は雲の中だが四阿山と浅間山は見えていて、その右手には西上州の山並み、奥秩父、八ヶ岳、富士山、南アルプス、深南部、中央アルプス、恵那山と続いていた。蝶ヶ岳には悪天時に登ることが多いのでガスで何も見えないことが多く、これだけ見えたのは数年ぶりだろう。木曾御嶽と乗鞍岳は雪雲が絡んでいたが、時折真っ白になった山頂部分が顔を出してくれた。

 カメラの操作をするために素手になると1分もせずに指の感覚がなくなるほど気温が下がっていて、真冬なら-5℃以下だろう。今はまだ体が冬モードになっていない点を考慮しても0℃は確実に下回っているだろう。風は無くてもダウンジャケット、フリースの長袖、ウィンドブレーカにバラクラバでも寒いくらいだった。指の寒さが半端無いのであらかじめ準備した使い捨てカイロを開封、手袋の中に仕込んで暖をとった。これなら安い手袋でも対応可能だ。

 まだこの時間は日帰りで出発した人の大半は到着していないので山頂は静かだった。小屋泊まりや幕営の人が山頂に立ち寄って各方面へ出発していった。

 山頂でパンを齧って僅かに水を飲んで午前7時に下山開始。3連休だけあって下りですれ違った人は多く、おそらく100人を越えていたと思う。おそらく2泊以上と思われる大ザックの人もいれば私と同様に日帰りでもずっと小さなザックの人も。蝶ヶ岳の積雪の可能性や寒さを考えた装備とは思えなかった。もし予報どおりの強風だったらあの装備では稜線に出るのは無理だろうなぁ。

 体が温まるまでしばらくダウンジャケットを着たまま歩いて蝶沢を越えてから脱いだ。標高が下がるに従って厳しかった寒さが急激に緩んできたが、夏場とは違って汗をかくような気温ではなく扇も不要だった。そのうちに手袋も外してバラクラバも取って半袖で歩けるようになった。ここは樹林なので日差しは無いが、いつの間にか頭上は青空が広がっていた。予報どおりに天気は回復傾向だ。

 林道終点に到着時点でもまだまだ登ってくる人が多い。時刻は午前9時ちょっと前である。三股第一駐車場に到着すると路側まで車で埋まって完全満車状態。3連休だからなぁ。今回は汗はかかなかったので軽く着替えるだけで済んだ。

 小腹が減ったので少し飯を食って車のタイヤの空気圧チェック。気温が大幅低下したので空気が甘くなっていると予想したがその通りで、1ヶ月前に適正値まで入れたのが既に2割近く低下していた。空気圧が低下すると燃費が大きく悪化するので気温が低下する時期は2週に1回程度はチェックしたほうがいい。

 車に乗り込んで第二駐車場前を通過するとこちらもほぼ満車で、その下の駐車余地にも車があり、最終的には「まゆみ池」の駐車場にも車が2台あるほどだった。この駐車場に車を突っ込んで車載PCで今日の山行記録を打ち込んだ。車の12Vバッテリーから電圧をPC用の19Vに昇圧する自作の電源で、PCに接続するコネクタが接触不良でしばらくPCが使えなかったが、今週の平日に修理を行って今は快調。操作中に電源が落ちることは無くなった。なお、このPCはかなり古いものでOSはウィンドウズXPで、今となってはセキュリティーは穴だらけのためネットに接続するのは危険であり、車の中でオフライン専用である。昔のPCで消費電力が少ないのがありがたい。

 

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